生きる理由。の話。
死にたがりの私に誰かが説く。
“人は皆いつか死ぬんだよ、そんなに急がなくてもいいじゃない。
生きることは尊いことなんだよ。”
なんだ、それ。
どうして人を殺しちゃいけないんだろうって言ったら、生きることは尊いからだって。
どうして死んじゃいけないんだろうって言ったら、生きることは尊いからだって。
なんだ、それ。
生きることが尊いとされている人は、無条件に愛情を注いでくれる人が誰かしらいるから尊いんだろ。
殺されたら、死んだら、涙を流してくれる人がいるから、死んじゃダメなんだろ。
それじゃあ、私は?
希薄な人間関係ばかりを築いてきた、私は?
楽しい雰囲気の上澄みばかり舐めてきた、私は?
無条件な愛情なんて知らないの。
誰が泣いてくれるの。誰が悲しんでくれるの。
誰が私を愛してくれるというの。
つまり、私の生は尊ばれるものではなく疎まれるもので、だから私は生きてるから死にたいと感じるのではなく、死にたいからこそ生きている。
死に固執している。
私の生きる目的は、生きる理由は、死そのものである。