文字の海。言葉の星。

▽ しゃかい の ごみ

生きる理由。の話。


死にたがりの私に誰かが説く。



“人は皆いつか死ぬんだよ、そんなに急がなくてもいいじゃない。

生きることは尊いことなんだよ。”


なんだ、それ。


どうして人を殺しちゃいけないんだろうって言ったら、生きることは尊いからだって。


どうして死んじゃいけないんだろうって言ったら、生きることは尊いからだって。



なんだ、それ。



生きることが尊いとされている人は、無条件に愛情を注いでくれる人が誰かしらいるから尊いんだろ。


殺されたら、死んだら、涙を流してくれる人がいるから、死んじゃダメなんだろ。



それじゃあ、私は?



希薄な人間関係ばかりを築いてきた、私は?

楽しい雰囲気の上澄みばかり舐めてきた、私は?

無条件な愛情なんて知らないの。




誰が泣いてくれるの。誰が悲しんでくれるの。

誰が私を愛してくれるというの。



つまり、私の生は尊ばれるものではなく疎まれるもので、だから私は生きてるから死にたいと感じるのではなく、死にたいからこそ生きている。



死に固執している。


私の生きる目的は、生きる理由は、死そのものである。