文字の海。言葉の星。

▽ しゃかい の ごみ

M。

君に噛み付く。君は笑う。

君のふっくらとした下腹を殴る。君は嘔吐する。そして笑う。

君の首を締める。君は目を細める。そして笑う。

君とセックスをする。君は少し痛がる。そして笑う。

君に好きだという。君は怪訝な顔をする。冷えた顔で興醒めだと僕を突き放す。

君は笑う。体を重ねた僕の向こうに、僕じゃない人を見て笑う。
気持ち良いことは好き。痛いのはもっと好き。って君は言う。

僕も気持ち良いことは好き。歪んだ君の顔も好き。


だって、僕も君を抱いている訳じゃない。君を抱きたい訳じゃない。

頭の中であの子を汚す。君の体を介して、生々しくあの子を汚す。好きで好きでどうしようもないから、あの子の代わりに君と繫がる。

君は僕を愛していない。僕も君を愛していない。
僕はあの子に愛してもらえない。君も誰かさんに愛してもらえない。

僕らはこんなに一人ぼっちだ。 


一緒に死のうか。