さよならマーチ。
朝起きる。
カーテンから入る日差しがベッドでゆらゆら揺れて、あったかい海の底にいるみたいだ。
あたしはうーんと伸びをしながら人魚姫になって、光るような真っ白いシーツに波を立てる。
今日も世界は平等で、誰にでもすべからく温かくて優しい。
死んじゃうにはもってこいのだ。
さぁカーテンを開けて顔を洗おう。
石鹸の香りを身にまとって可愛いお洋服で着飾ろう。
学校なんていいや、今日は。
だってもったいないじゃない。
空は青いしお日様はぽかぽかだし、こんな日に全てにさよなら出来たらあたしはきっと雲か小鳥か、天使になれるような気さえするわ。
だから行くの。この窓から広いところへ。
パパもママも友達のユリエも知らない、私もまだ知らない場所へ。長い長いピクニックをしにいくようなものね。
リュックも完璧。
それじゃあ皆さん、ごきげんよう。
3、2、1、
ジャーーーーーーンプ!!!!!!